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学区別世帯年収


第1回:総論・新宿区
第2回:品川区・大田区
第3回:江戸川区・江東区
第4回:練馬区・中野区
第5回:世田谷区・杉並区
第6回:板橋区・北区
第7回:目黒区・渋谷区
第8回:台東区・墨田区
第9回:文京区・豊島区
第10回:港区・中央区
第11回:葛飾区・足立区
第12回:千代田区・荒川区
年収推計結果の詳細説明
第12回 千代田区・荒川区
連載最終回の今回は、公立学校教育において対照的なスタンスを取っている千代田区と荒川区を取り上げる。千代田区にある公立学校は、古くから人気のある麹町中学校を筆頭に全体的にレベルが高いといわれ、それが原因かどうかは不明だが、学校選択制を中学校に関して導入しているのみである。一方荒川区においては、小中学校両方につき学校選択制を導入している他、学習到達度調査など、学力調査を個別の学校ごとに行い、その結果を教育委員会のホームページ上で公表している。このように公立学校教育に対するスタンスが大分異なる両区においては、学校選びの難しさも大きく異なってくる。このような状況下で、学校選びの一定の指針となるのが学校区平均年収データである。
千代田区の学校区平均年収ランキングは以下のとおりとなる。
行政 学校 平均年収 平均年収順位
千代田区 麹町小学校 878 1
千代田区 番町小学校 834 2
千代田区 九段小学校 799 3
千代田区 千代田小学校 759 4
千代田区 和泉小学校 757 5


行政 学校 平均年収 平均年収順位
千代田区 麹町中学校 851 1
千代田区 練成中学校 761 2
千代田区 今川中学校 754 3
千代田区 九段中学校 752 4
千代田区 一橋中学校 721 5
千代田区の学校区平均年収を見てみると、他の行政区と比較して全体的に年収が高いことがわかる。年収の高さと、学校のレベルや人気がある程度関係することはこれまでの連載で見てきたとおりだが、千代田区の学校が全体的にハイレベルだといわれることも、これを裏付ける証左となりそうだ。
千代田区の小学校で平均年収1位になったのは麹町小学校だった。同校の学校区の中では、麹町1丁目の平均年収が最も高い。麹町1丁目は、皇居やイギリス大使館に隣接しており、地下鉄半蔵門駅からも至近距離という立地条件を兼ね備え、その希少性から路線価もずば抜けて高いエリアである。立地特性上、業務用ビルが自然と多くなるが、その中に、地ぐらいの高さに比例した高級集合住宅が点在する。当然、物件価格は非常に高額になり、そこに住む世帯の年収も高くなる。格式と交通利便性の両方を備えているという希少性が、高平均年収エリアを探し当てるキーワードとなる。
次に荒川区の学校区平均年収ランキングは次のとおりとなる。
行政 学校 平均年収 平均年収順位
荒川区 尾久西小学校 605 1
荒川区 瑞光小学校 600 2
荒川区 尾久第六小学校 588 3
荒川区 第七峡田小学校 582 4
荒川区 第三瑞光小学校 559 5


行政 学校 平均年収 平均年収順位
荒川区 第七中学校 601 1
荒川区 第一中学校 564 2
荒川区 尾久八幡中学校 550 3
荒川区 南千住第二中学校 550 4
荒川区 第五中学校 548 4
小学校で1位になった尾久西小学校、中学校で1位になった第七中学校の両校が学校区とするのが西尾久エリアの一部である。両校を学校区平均年収1位に吊り上げる原因となった高平均年収町長目は、西尾久4丁目であった。なかでも持家世帯の平均年収が高く、借家世帯のそれの約2倍となっており、この町の平均年収を牽引している。持家世帯がどのような居住形態をとっているかを探ることが、高世帯年収の原因を探るキーとなろう。比較的工場の多い西尾久エリアにあって、西尾久4丁目は集合住宅中心の街並みを形成している。当然、持家も集合住宅が多い。西尾久4丁目も、元来工場の多い土地柄であったのだが、比較的早い時期に工場跡地が大規模マンションに建て替えられ、それらの中には400戸以上の大規模分譲マンションもあった。
1980年頃に建築された大規模マンションの住人のなかには、現在、最も収入が多い50歳代にさしかかっている層が多いと考えられ、その結果として平均年収が高くなったことが想定される。これは、板橋区における中台3丁目(サンシティという1980年に完成した大規模マンションが存在する)でもみられた現象である。エリアを代表するような大規模マンションの分譲時期は、その町の平均年収を推定する一つの手がかりになるといえよう。
なお、町丁目別年収データの詳細はホームページで確認してください
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