| 第10回 港区・中央区 |
23区のなかでも「都心3区」と呼ばれるエリアに含まれ、まさに東京の中心に存在する港区と中央区を今回は取り上げる。住宅の都心回帰が言われて久しいが、この両区も近年の大型開発を契機として大規模集合住宅が増え、職住接近を志向する層にとっては絶好の住エリアとなっている。港区・中央区共にもともと集合住宅の多いエリアであり、さらに近年集合住宅が増えている現状を見ると、集合住宅の立地として、地ぐらいの高いエリアを判別することが、高年収世帯エリアを見極める一つのポイントとなりそうである。集合住宅の中でも高級分譲・賃貸マンションが数多く存在するエリアを含む学校区は、平均年収も高くなることが予想される。
以下具体的に各行政区について学校区の平均年収を見ていくことにする。
先ず、港区の学校区平均年収上位校は次の通りとなる。
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| 行政 |
学校 |
平均年収 |
平均年収順位 |
| 港区 |
南山小学校 |
885 |
1 |
| 港区 |
麻布小学校 |
848 |
2 |
| 港区 |
御成門小学校 |
848 |
3 |
| 港区 |
笄小学校 |
820 |
4 |
| 港区 |
本村小学校 |
798 |
5 |
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| 行政 |
学校 |
平均年収 |
平均年収順位 |
| 港区 |
御成門中学校 |
848 |
1 |
| 港区 |
高陵中学校 |
794 |
2 |
| 港区 |
六本木中学校 |
785 |
3 |
| 港区 |
高松中学校 |
780 |
4 |
| 港区 |
赤坂中学校 |
703 |
5 |
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ランキングを一瞥してお分かりいただける通り、ランクインしている学校の年収は他の行政区に比べてひときわ高い。港区自体が高所得者集中エリアであることを物語っている。
小学校でランキング1位になったのは麻布エリアを主たる学校区とする南山小学校である。この学校区の中では、元麻布2丁目の平均年収が特に高い。元麻布2丁目には大使館が多く、それにつれて外国人需要も見込んだ1戸あたりの占有面積が広い高級マンションが数多く建っている。付近には高級テニスクラブ等も存在し、麻布エリアの中でもひときわ高級感が際立っているエリアと言える。
一方港区の中学校では、御成門中学校が1位となった。同中学校の学校区の中では、愛宕2丁目の平均年収が頭一つ抜けて高くなっている。通常のエリアでは持家世帯の年収と借家世帯の年収を比較すると前者のほうが圧倒的に高いケースが多いが、同町では借家世帯の平均年収が持家世帯の平均年収とほぼ変わらないくらい高い水準となっている。愛宕2丁目には森ビルにより開発された愛宕グリーンヒルズを始めとする高級賃貸マンションが多く、年収データはこのことを如実に表す結果になっている。
港区では学校選択制が取り入れられているが、平成16年度入学予定者における、学区外からの入学希望者数は、学校区年収1位の御成門中学校と2位の高陵中学校で圧倒的に多くなっている。学校区年収と学校レベルの強い相関を推測させる結果である。
次に、中央区の学校区年収ランキングは次のようになる。 |
| 行政 |
学校 |
平均年収 |
平均年収順位 |
| 中央区 |
佃島小学校 |
734 |
1 |
| 中央区 |
久松小学校 |
719 |
2 |
| 中央区 |
有馬小学校 |
708 |
3 |
| 中央区 |
中央小学校 |
688 |
4 |
| 中央区 |
阪本小学校 |
681 |
5 |
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| 行政 |
学校 |
平均年収 |
平均年収順位 |
| 中央区 |
日本橋中学校 |
694 |
1 |
| 中央区 |
佃中学校 |
694 |
2 |
| 中央区 |
銀座中学校 |
645 |
3 |
| 中央区 |
晴海中学校 |
611 |
4 |
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小学校で学校区年収1位の佃島小学校は、佃エリア及び月島エリアの一部を学校区とする。なかでも年収が高いのは、大川端リバーシティ21が存在する佃2丁目である。中央区の高層マンション建築ラッシュに先鞭をつけたこのエリアでは、三井不動産等の大手デベロッパーにより高層マンションが複数建築され、バブル期直後の売り出し価格は1億円を超える住戸も珍しくなかった。所謂、中央区における地域一番マンション街であり、このようなエリアでは住人の世帯年収が高くなることになる。
港区・中央区共に高級マンション街の世帯年収が高くなる結果となった。このように、集合住宅が多い行政区においては、マンション街としてのグレードの高さが、エリアの平均年収を推定する材料となる。 |
※なお、町丁目別年収データの詳細はホームページで確認してください
アトラクターズ・ラボ
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