| 第6回 板橋区・北区 | 
	  
	  
	  
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東京23区の北部に位置する板橋区と北区を今回は取り上げる。両区とも大規模な団地が存在し(高島平団地、赤羽台団地等)、都心に通勤するオフィスワーカーのベッドタウンとして発達してきた行政区である。このような特徴を持つ両区においては、町丁目毎の年収の差がさほどつかず、エリアマーケティングを行うことがなかなか難しいとも予想されるが、実態はどうなのか。まずは、板橋区の学校区平均年収からみていくことにする。
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| 行政 | 
学校 | 
平均年収 | 
平均年収順位 | 
 
| 板橋区 | 
緑小学校 | 
831 | 
1 | 
 
| 板橋区 | 
高島第五小学校 | 
725 | 
2 | 
 
| 板橋区 | 
若葉小学校 | 
658 | 
3 | 
 
| 板橋区 | 
若木小学校 | 
658 | 
4 | 
 
| 板橋区 | 
志村小学校 | 
600 | 
5 | 
 
 
 | 
 
 
  
| 行政 | 
学校 | 
平均年収 | 
平均年収順位 | 
 
| 板橋区 | 
中台中学校 | 
655 | 
1 | 
 
| 板橋区 | 
志村第四中学校 | 
625 | 
2 | 
 
| 板橋区 | 
高島第三中学校 | 
606 | 
3 | 
 
| 板橋区 | 
志村第二中学校 | 
569 | 
4 | 
 
| 板橋区 | 
桜川中学校 | 
562 | 
5 | 
 
 
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          板橋区の小学校学校区においては、著しく平均年収が高いエリアが存在する。緑小学校の学校区がそれである。同学校区に含まれる中台3丁目には、昭和50年代に三井不動産と旭化成グループによって分譲された、「サンシティ」という大規模マンション群が存在する。同マンション群は、木々が演出する豊かな自然と、ガードマンが敷地内を巡回するという徹底した防犯機能を備え、子供を持つ世帯が安心して暮らせる要素が揃っている。スーパー等の生活施設も一通り敷地内に揃う上に、緑小学校も隣接しており、ここだけで周囲とは隔絶された一つの「町」の様相を呈している。これだけの条件が揃えば、高年収者・高学歴者が子育ての為に「環境を買う」という意味で集まってくる可能性は非常に高い。いわゆる「地域一番マンション」としての要素が揃っており、そこに高年収者が集まった結果、町丁目の平均年収がつりあがったと想定される。では、実際の緑小学校の教育レベルはどうなのか。現在20代の同校出身者は往時を振り返り「周りは御三家(男子だと麻布中学校・開成中学校・武蔵中学校、女子だと桜陰中学校・女子学院中学校・双葉中学校)を目指す生徒で一杯だった。日曜日に四谷大塚(進学塾)に通う子も多かった」と述懐する。学校選択制を導入している板橋区では、ホームページで公立小学校入学希望者数の内訳を発表しているが、緑小学校の通学区域外からの入学希望者数は同区で1、2位を争っている。以上のことからも緑小学校のレベルの高さを窺う事ができ、学校区年収データの有用性が確認できる。 
北区の学校区平均年収ランキングは以下の通りである。 | 
	  
	  
	  
	  
	  
          
| 行政 | 
学校 | 
平均年収 | 
平均年収順位 | 
 
| 北区 | 
柳田小学校 | 
598 | 
1 | 
 
| 北区 | 
滝野川小学校 | 
585 | 
2 | 
 
| 北区 | 
第四岩淵小学校 | 
583 | 
3 | 
 
| 北区 | 
西ヶ原小学校 | 
579 | 
4 | 
 
| 北区 | 
赤羽小学校 | 
574 | 
5 | 
 
 
 | 
 
 
  
| 行政 | 
学校 | 
平均年収 | 
平均年収順位 | 
 
| 北区 | 
飛鳥中学校 | 
578 | 
1 | 
 
| 北区 | 
豊島中学校 | 
574 | 
2 | 
 
| 北区 | 
岩淵中学校 | 
572 | 
3 | 
 
| 北区 | 
紅葉中学校 | 
561 | 
4 | 
 
| 北区 | 
稲月中学校 | 
553 | 
5 | 
 
 
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          これをみると、板橋区における緑小学校ほど、ずば抜けて平均年収が高い学校区は存在せず、学区ごとの差が相対的に少ないことが分かる。では北区はどのエリアでも年収にさほど差が無いのかといえば、そうではない。中学校の学校区平均年収1位となった飛鳥中学校の学校区には、西ヶ原1丁目が含まれている。旧古川庭園を擁すこの町は、豊島区駒込に隣接し、敷地区画の大きな邸宅街としての趣を残している。当社年収推計データによると、北区において、年収1500万円以上の世帯数が最も多いのも西ヶ原1丁目であり、同地区は北区随一の高平均年収エリアといえる。同エリアの平均年収が高いことは、古くからのお屋敷街が高年収傾向を示すことを裏付けるといえる。西ヶ原1丁目は、小学校の学校区においては滝野川小学校に属しており、こちらも北区で2位にランクインしている。同エリアが学校区平均年収をつり上げていることがわかる。 
このように、団地などが多く住民が均質化しているかに見えるエリアにも、確実に高平均年収エリアは存在し、そのエリアが含まれる学区の平均年収は高くなる。その際の見極めポイントは、「地域一番マンション」「古くからの邸宅街」が存在するかどうかだと言える。 | 
	  
	  
	  
	  
	  
	  
※なお、町丁目別年収データの詳細はホームページで確認してください
 
アトラクターズ・ラボ
 
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