| 第3回 江戸川区・江東区 |
江戸川区・江東区共に、比較的都心への交通アクセスが良く、そのわりには地価が安かったために、若い家族世帯の住宅地として人気のある行政区である。
両区共に、前回取り上げた大田区のような典型的なお屋敷街というような街は存在せず、平均年収が高い学校区の判別は、外から見ただけでは困難なエリアといえる。
したがって、こういうエリアこそ、学校区別年収データを使い、客観的な基準に基づいて学校レベルを推測すべきであると考える。
まず、江戸川区の学校区別平均年収ランキングは、以下の表の通りになる。
|
| 行政 |
学校 |
平均年収 |
平均年収順位 |
| 江戸川区 |
清新第三小学校 |
849 |
1 |
| 江戸川区 |
清新第一小学校 |
795 |
2 |
| 江戸川区 |
第三葛西小学校 |
652 |
3 |
| 江戸川区 |
西葛西小学校 |
617 |
4 |
| 江戸川区 |
鎌田小学校 |
596 |
5 |
|
| 行政 |
学校 |
平均年収 |
平均年収順位 |
| 江戸川区 |
清新第一中学校 |
849 |
1 |
| 江戸川区 |
西葛西中学校 |
655 |
2 |
| 江戸川区 |
南葛西中学校 |
627 |
3 |
| 江戸川区 |
松江第四中学校 |
582 |
4 |
| 江戸川区 |
松江第六中学校 |
581 |
5 |
|
|
ご覧の通り、圧倒的に平均年収の高い学区が存在する。
小学校では清新第三小学校・清新第一小学校、中学校では清新第一中学校の学区である。
この3校の学区に含まれる清新1丁目には、住宅・都市公団分譲の葛西クリーンタウンという大規模集合住宅が存在し、かつては、防犯に留意した「ニューモデル高層住宅」として人気を集めた。近くには公園などの遊び場も存在するほか、学校区平均年収トップの清新第三小学校も隣接するようにつくられており、子育てには絶好な環境となっている。最寄り駅は東西線西葛西駅であり、大手町等都心へのアクセスも良い。子供のいる高所得者層が引き付けられる要素が揃っているのがまさに清新1丁目エリアだといえる。
江戸川区では、学校選択制が導入されているが、同エリアに存在する清新第一中学校の人気は圧倒的であり、同区ホームページで公表されている平成15年度中学校選択制希望調査最終集計結果においても、清新第一中学校の受け入れ可能生徒数と入学希望者数のギャップは同区で最大となっている。ちなみにギャップが2番目に大きいのは平均年収2位の西葛西中学校であり、弊社年収データと学校レベルの相関性は非常に高いと推測される。
次に江東区の学校区年収ランキングは、下記の通りである。
|
| 行政 |
学校 |
平均年収 |
平均年収順位 |
| 江東区 |
元加賀小学校 |
704 |
1 |
| 江東区 |
第七砂町小学校 |
686 |
2 |
| 江東区 |
臨海小学校 |
680 |
3 |
| 江東区 |
越中島小学校 |
675 |
4 |
| 江東区 |
平久小学校 |
670 |
5 |
|
| 行政 |
学校 |
平均年収 |
平均年収順位 |
| 江東区 |
深川第六中学校 |
670 |
1 |
| 江東区 |
深川第三中学校 |
657 |
2 |
| 江東区 |
深川第八中学校 |
654 |
3 |
| 江東区 |
東陽中学校 |
643 |
4 |
| 江東区 |
深川第ニ中学校 |
638 |
5 |
|
|
これをみると、江戸川区のようにずばぬけて平均年収の高い学校区は無く、学校区ごとの平均年収の開きも相対的に江戸川区より少ないことがわかる。
江東区も江戸川区同様、学校選択制度を取り入れており、公立小中学校の入学希望者数をホームページ上で公表している。それによると、最も通学区域外からの入学希望者が多いのは、小学校では南陽小学校、中学校では深川第三中学校となっており、両校のレベルの高さがうかがえる。深川第三中学校は学校区の平均年収が同区で2番目に高く、ここでも学校区年収と学校レベルの相関が認められる。
一方で南陽小学校は平均年収上位校にランクインはしていない。これはさほど学校区の平均年収に開きが無い江東区ならではの結果といえよう。
江戸川区と江東区を比較してみると、学校選択制度が導入された場合、江戸川区のように学校区平均年収に差がある地域の方が、江東区のように学校区ごとの平均年収に開きが少ないエリアよりも、高年収学校区にある学校が人気化しやすいと言えそうである。
|
※なお、町丁目別年収データの詳細はホームページで確認してください
アトラクターズ・ラボ
|