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メディア掲載履歴

全国賃貸住宅新聞の連載コラム「アトラクターズ・ラボの市場トレンド分析」2010年
第1回
賃料査定に確固たる理由が必要
第2回
将来賃料が分からなければ投資はできない
第3回
失敗しない商品企画の立案方法
第4回
エリアの需給バランスは分かるか
第5回
新規供給はいつまで続くのか?
第6回
需要減退の隠れた要因
第7回
賃料はどこまで下がるか
第8回
キャンペーンのあり方
第9回
賃貸住宅市場反転の時期
第10回
キャッシュフロー視点での物件評価手法
第9回「賃貸住宅市場反転の時期」
賃貸住宅市場は景気変動の9ヶ月遅れで連動して動くものである。この度、将来予測をプレス発表し、商品として多くの方にご利用頂こうと考えている。その結果は次回の繁忙期(2011年1-3月期)に都心高額賃貸にやや反転傾向が出るというものとなった。これは景気動向が緩やかに回復する中、今後半年程度底這いを続けた後に空室率が改善し、成約賃料が上昇するというものである。弊社の顧客40社程に今期の繁忙期(2010年1-3月期)のアンケートを取った結果、既に底を迎えたという回答が45%を占め、将来1年以内に底を打つとしたものを含めると85%となるプレイヤーの声と同期するので、市場関係者には納得感と使い易さのある結果と考えている。
こうした結果になるのは、景気との関係が過去同様に将来も当てはまる場合なので、他の需給関係の情報で裏づけを取る必要がある。まずは供給であるが、2010年度は非常に少なくなることはここ1年の着工戸数でほぼ判明している。次に需要は世帯の前年比増加数はリーマンショック以降急激に減少してきたが、ここ数ヶ月減少に歯止めが掛かっている。同様に外国人登録人口の減少も収束を見せ始めている。また、賃料改定率という同一住戸の前回募集賃料と今回募集賃料差は高額賃貸から下げ止まり傾向を見せ、高額住戸では横ばいの住戸が最も多い状況になっており、今後玉突きの価格調整がより低い賃料帯に進むだろう。賃料インデックスにおいても、下げ基調が横ばい基調に変わったセグメントが多く見られるようになっている。このように多角的に需給関係を見ても、反転に向かう材料が整いつつある
今回の予測では将来3年の予測も行っている。将来1年は上記と同じだが、その先は3つのシナリオを設定している。(1)現状維持の場合、2004年7-9月期以降と同じ景気回復の場合、(3)2008年10-12月期以降と同じ景気悪化(二番底)の場合の3パターンを想定した。(2)はいざなみ景気の再来であるが、緩やかな動きなので、空室率・賃料が徐々に回復することになる。(3)では再度悪化に向かうものの、3年後の水準は現状水準と同程度に回復することになる。今後、物件の新規計画や建替計画などがある場合、どうなるかは将来シナリオと重ねて考えるのがいい。オポチュニティを狙うなら、半年以内に底値で仕入れて、ボラティリティの大きな高額・広面積な物件で3年後の出口を狙うというのも計画としていいだろう。市況は景気同様に波を打って変動する。インデックスや市況予測を用いて、逆張りして儲けるのは一部の外資系に見られる。この提案に難色を示したあなたは多数派かもしれない。但し、多数派が乗り出した頃にはいつも宴は終わりに近く、ババ抜きが始まっている可能性が高い。頭脳戦に自信がある方には格好のタイミングに来ている。
【参考】プレス発表「空室率と成約賃料の将来予測結果」
http://www.a-lab.co.jp/research/press100723.html

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