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| 第9回「用途地域と年収」 |
品川区などで公立学校の選択制が拡がっている。それまで学区域が決められていたために、住み替えの際にこの区域が重要視されることが多かった。こうした学校選択の基準として学区域の平均年収は一つの目安となるが、平均年収は用途地域に依存するところが大きい。このため、品川区で用途地域別の平均年収を算出してみたのが、表である。用途地域の面積はGIS(地理情報システム)で面積按分し、これと年収の掛け算により、算出している。
結果は、高年収の持家世帯が多い第1種低層住居専用地域が最も高く、持家世帯の平均年収は867万円と高級住宅地並みなる。この中でも最も高い丁目は旧正田邸のあった東五反田5丁目になる。また、第二種住居地域でも持家世帯年収が高くなっているが、これは御殿山ヒルズ付近の北品川4丁目を含むことによる地域影響が大きく、準工業地域で高いのは工場跡地のマンション開発によることが想定される。一方、借家世帯年収に目を移すと、第1種住居、近隣商業、工業専用地域で低くなっており、総じて持家世帯年収の序列に準じている。
このように、用途地域は街並みや住宅価格に影響するため、平均年収に与える影響が大きい。たとえ、平均年収が分からなくても、用途地域を調べればおおよその年収を想定でき、ひいては公立学校の選択にも役立てることができるという訳である。
尚、町丁目別年収データの詳細はホームページでご確認下さい。
http://www.a-lab.co.jp/
▼ 品川区の用途地域別平均年収
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| 用途地域 |
全世帯 |
持家世帯 |
借家世帯 |
| 第1種低層住居専用地域 |
753 |
867 |
626 |
| 第1種中高層住居専用地域 |
656 |
792 |
548 |
| 第1種住居地域 |
583 |
753 |
461 |
| 第2種住居地域 |
718 |
857 |
653 |
| 近隣商業地域 |
575 |
713 |
464 |
| 商業地域 |
612 |
742 |
516 |
| 準工業地域 |
636 |
765 |
526 |
| 工業専用地域2種 |
580 |
716 |
468 |
※町毎の用途地域の面積按分と年収を掛け合わせて算出している(単位:万円)
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