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| 第6回「分譲マンションの需給バランス」 |
近年、分譲マンションは狭いエリア内で同時期に大量供給されることが多い。こうなると、先行してモデルルームを開いた物件から売れていくために、後発になると苦戦する傾向が顕著になり、販売期間を長期化することが主な解決方法となる。
マーケティングにおいても、他社の先行事例での経験則(例えば、5000万円台の南向き住戸の売れ行きが良かったなど)による「二匹目のどじょう」作戦は役に立つどころか、需要を先食いしたと考え、ネガティブに作用することの方が多い。そもそも大規模物件とはいえ、広域集客には限界があると考えるべきである。
こうした場合、地域の年収帯別世帯数から、分譲マンションの価格帯別需要を算出し、過去の供給と差し引きすることで、「残された需要獲得」作戦の方が賢明となる。実際に解析してみると、5000万円台の需要は700〜1000万円の借家世帯数に比例し、6000万円台なら1000〜1500万円のそれと比例する。地域の需要は年収帯分布に相応し、一定期間での需要の顕在化率は一定であるという根拠に基づいた結果であり、これを用地仕入れの判断に加えている優れた企業もある。
同様に、面積帯別や間取り帯別に需要を算出し、残されたセグメントを特定すると、住戸のプランニングも自ずと決まってくることになる。
表に見るように、大田区と世田谷区では最多価格帯は異なり、町毎にも同様のことが言える。
尚、町丁目別年収データの詳細はホームページでご確認下さい。
http://www.a-lab.co.jp/
| ▼ 分譲マンションの価格帯別需要量の算出結果 |
| 市区町村名 |
大田区 |
世田谷区 |
大田区萩中 |
世田谷区弦巻 |
| 1999万円以下 |
136 |
24 |
2 |
1 |
| 2000-2499万円 |
52 |
102 |
1 |
2 |
| 2500-2999万円 |
91 |
69 |
2 |
2 |
| 3000-3499万円 |
271 |
76 |
6 |
2 |
| 3500-3999万円 |
486 |
174 |
10 |
4 |
| 4000-4499万円 |
479 |
197 |
10 |
5 |
| 4500-4999万円 |
424 |
260 |
9 |
7 |
| 5000-5499万円 |
283 |
281 |
6 |
8 |
| 5500-5999万円 |
152 |
319 |
3 |
10 |
| 6000-6499万円 |
103 |
235 |
2 |
8 |
| 6500-6999万円 |
84 |
200 |
1 |
5 |
| 7000-7499万円 |
34 |
134 |
0 |
3 |
| 7500-7999万円 |
21 |
104 |
0 |
2 |
| 8000-8999万円 |
19 |
119 |
0 |
3 |
| 9000-9999万円 |
9 |
61 |
0 |
1 |
| 1億円以上 |
16 |
92 |
0 |
2 |
※年収帯別世帯数推計から1年間に顕在化する需要量(世帯数)を価格帯毎に推計している
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