「戸建分譲」の平成24年度の第一四半期の分析結果を発表します。
・集計対象 「分譲の戸建」(国土交通省の住宅着工統計の分譲の戸建と同じ)
・期間 平成24年4月1日から6月30日の3ケ月
① 契約は2万6905戸(前年+1.3%)だが契約率19.9%(前年▼1.9%)
・契約は2万6905戸で前年同期比+1.3%と微増
・契約率は19.9%で前年は21.8%なので、前年同期比マイナス1.9%。
新規販売戸数が前年同期比12.5%と多かったため、契約が+1.3%増えたが、在庫が10.8%増えたために、契約率が低下した。
② 首都圏は1万3786戸(前年+13.9%)で契約率19.3%(前年+0.7%)
・首都圏の契約は1万3786個で前年同期比+13.9%と増えた。
・首都圏の契約率は19.3%で前年18.6%なので+0.7%とややよくなった。
新規販売が前年同期比+15.3%と大きく増え、契約も+13.9%と多かったが、在庫が多いため契約率は20%割れと低迷した。前年同期は震災の影響で低迷していた。
③ 販売平均価格は3235万(前年+2.3%)で契約平均価格は3142万(前年+1.9%)
・販売中の平均価格は3235万で前年より+86万・+2.3%上がった。
・契約の平均価格は3142万で前年より+59万・+1.9%上がった。
・ただ首都圏は契約3591万で前年+114万上がったが、地方は2667万で前年より76万下がった。
首都圏は契約好調により新規販売価格が前年より+187万も上がったために販売平均・契約平均も上昇したが、地方は販売エリアの拡大により新規販売が73万下がったために契約平均も下がった。
今回発表のデータ収集方法は、アトラクターズラボ株式会社がインターネットで広告されたすべての戸建分譲の情報を収集して、集計・重複削除・分析したものです。
【問合せ先】担当:松沢(戸建分譲マーケティングコンサルタント)
03-3221-2556
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■新規販売は多かったが、契約は前年1.3%にとどまったため契約率が低迷
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単位 : 戸数。 「住宅着工」は国土交通省の新設住宅着工統計の「分譲・戸建」より引用

- 4月〜6月の第一四半期の戸建分譲の住宅着工は2万9675戸で前年比+4.4%と増えた。
- 新規販売は2万7435戸で前年比では12.5%増えたが、住宅着工よりは少なかった。7月以降の販売に回ったとみられる。
- 契約戸数は2万6905戸で前年より1.3%増えたが、新規販売よりは530戸少なかった。4月の契約が少なかったためだが、3月に決算のため契約が多かったので反動減となったもの。
- その結果、在庫が増えて、契約率が19.9%と前年21.8%から下がり、20%を割れて低迷となった。前年は震災前が契約好調で在庫が少なかったために契約率は20%を超えていた。
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■4月・5月と低迷したが、6月に挽回した
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月別にみると、
- 4月は契約が7727戸と低迷した。3月に決算のために完成在庫の販売を中心に1万3000戸と通常より3000戸多かったため、4月は1万戸から2300戸少なかった。
- 5月は契約と共に新規販売も少なかった。ただ住宅着工は着実に増えていた。
- そして6月は3月の影響が終わり本来の1万戸を超える契約ができた。
- 7月のエコポイント終了を前にして、住宅着工を急いだために6月の住宅着工は1万戸を超えてきた。
それにつれて新規販売が出てきて、契約も増えた。
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■新規販売が多く、契約戸数も伸びた。
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- 新規販売は前年比+15.3%と大きく増えました。ビルダー各社が積極的な土地仕入れをしたため。
それに連れて契約戸数も前年比13.9%と増えた。
- ただ期初在庫数が多かったために契約率は20%を割り、契約率としては低迷といえる。
- 住宅着工は前年度を割った。東北復興優先のため職人不足となっているところに、3月の完成引渡しを優先させたために、4月分の住宅着工までに手が回らずに少なかった。
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■4月・5月は低迷したが、6月は挽回した
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月別にみると、
- 4月は新規販売が少なかったために契約で低迷した。
- 5月は新規が回復したのだが、契約は低迷したままだった。震度7不安や液状化不安に加えて、一部エリアで新たな放射能問題などがあり、契約が低迷したエリアがあったため。
- 6月は5月の新規販売の多さが、遅れて契約となった。エコポイント終了見込みも契約を後押しした。
- 首都圏は神奈川県が絶好調だが、千葉県のみならず、東京都や埼玉県でも震災による影響として震度7不安や地盤不安や放射能ホットスポット問題や水問題などが出ているエリアが契約不調となっている。
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■新規販売価格が上がり、契約価格も上昇した
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金額単位 : 万円

- 新規販売価格は前年同期より+73万上がった。値上がりしたというより、低価格の物件が減ったため。
特に首都圏郊外の地盤の悪いところの物件が減り、東京や神奈川の物件が増えたため。
- それにより、販売中平均価格が上がった。ただ新規価格の上昇よりは小さい。
- それで契約価格も上昇した。ただこちらも新規販売価格の上昇よりは小さい。
販売価格からは約100万円下がっている。完成した物件が値引きをするため。
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■首都圏は上がったが、地方は下がった
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- 首都圏は新規販売価格が前年実績より+187万も上がった。これは値上がりというより、千葉県の地盤の弱いエリアなどでの2500万以下の低価格の物件の販売が見送られて、東京西部や神奈川の4000万円前後の物件が増えたため。
- それにつれて販売平均価格が上がり、契約平均価格も上がった。ただ新規販売価格の上昇の半分くらいしか契約価格は上昇していない。約100万円の差があるが完成物件の値引きによるもの。
- 地方は逆に価格を低下させている。
- これは値下がりしているというより、2500万以下のエリアでの販売が増えたことによる。
- 首都圏の震災リスクの分散として、岡山や広島などの販売・契約が増えているが、それらの平均価格が3000万円以下が多いために平均価格が下がっている。
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